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オーラルフレイル=口周りの機能の衰え

🦷「オーラルフレイル」ってご存じですか?

最近、テレビや新聞などでも耳にするようになった「オーラルフレイル」という言葉。
加齢とともに身体のさまざまな機能が衰えていきますが、その中でも特に「口の機能の衰え(虚弱)」を指します。

英語の “Frail(フレイル)” は「虚弱」という意味で、健康と要介護の中間状態を表します。
つまり、オーラルフレイルとは、「お口の健康が少しずつ衰えはじめたサイン」なのです。

🔍 こんなサインがあったら要注意!

  • 硬いもの(たくあん・さきいかなど)が食べにくくなった

  • 飲み込みにくい、またはむせやすい

  • 滑舌や発音が悪くなった

  • 唾液が減って口の中が乾く

  • 残っている歯が19本以下

これらのうち2つ以上当てはまる場合は、オーラルフレイルの可能性があります。

🍴 お口の衰えが全身に影響を与える理由

「食べる」「飲み込む」「話す」は、生きていく上で欠かせない行為です。
これらが衰えることで次のような悪影響が起こります。

  • 食べ物を十分に噛めない → 消化器に負担がかかり、栄養状態が悪化

  • 飲み込みがうまくできない → 誤嚥性肺炎や窒息のリスクが上昇

  • 話すことが減る → 人との交流が減り、引きこもりや認知症につながる

実際に、オーラルフレイルが認められる人は、そうでない人に比べて4年後に要介護・死亡となるリスクが2倍以上になるという研究報告もあります。

💪 オーラルフレイルを予防するためのポイント

① 歯の治療を後回しにしない

むし歯や歯周病、入れ歯の不具合、欠損部の放置などは機能低下の大きな要因です。
定期的な検診とクリーニングで早めの対処を。

② 口を積極的に動かす

「パタカラ体操」「あいうべ体操」「ベロ回し」「開口訓練」「唾液腺マッサージ」など、口まわりをよく動かすことで筋力や唾液分泌を維持できます。
歌う・笑う・おしゃべりすることも立派なトレーニングです。

③ 姿勢を正す

背筋を伸ばして座ることで、舌や喉の筋肉が正しく働きます。
「口は閉じて、歯は離し、舌は上あごにつける」——これが理想的なお口の姿勢です。

④ お薬の影響をチェック

唾液減少や筋力低下を引き起こす薬もあります。

以下のような薬を服用している方は、症状の一因となっている可能性があります。

🔸 唾液の減少に関与する薬

  • ベンゾジアゼピン系向精神薬(睡眠薬・抗不安薬など)

  • 抗ヒスタミン薬(アレルギー・花粉症治療薬)

  • 抗精神病薬

  • 三環系抗うつ薬

  • 抗コリン性抗パーキンソン病薬

  • 頻尿・過活動膀胱治療薬

  • 利尿薬

  • 降圧薬(高血圧の薬)

  • 下剤など

🔹運動機能を緩慢にする薬

  • 向精神薬

  • 鎮静薬

  • 抗てんかん薬

  • 抗ヒスタミン薬

  • オピオイド系鎮痛薬

  • 筋弛緩薬 など

◆ 味覚を変化させる可能性のある薬

  • 抗がん薬

  • クラリスロマイシン(抗菌薬)

  • ミノサイクリン(抗菌薬)

  • 降圧薬

  • 抗てんかん薬 など

もし該当する薬を服用していて、「口が乾く」「味が変」「動かしづらい」と感じる場合は、かかりつけ医や歯科医師に相談してみましょう。
自己判断で中止することは危険です。

⑤ よく噛む食生活を意識

やわらかいものばかり食べていると、顎や口の筋肉が弱ります。
「一口30回」を意識し、根菜や肉類、きのこなど噛みごたえのある食材を取り入れましょう。

⑥ 栄養と水分をしっかりと

低栄養は筋力低下を加速させます。タンパク質(肉・魚・卵・大豆)を積極的に摂りましょう。
また、口の乾燥を防ぐためにこまめな水分補給も大切です。

⑦ 生活リズムを整える

睡眠不足やストレスも口の機能低下につながります。
毎日の生活リズムを整え、心身の健康を保ちましょう。

🌸 まとめ

オーラルフレイルは、「老化現象だから仕方ない」とあきらめるものではありません。
早めに気づいて、生活習慣や口の使い方を少しずつ見直すことで、改善・予防が可能です。

「最近むせやすい」「噛みにくくなった」「しゃべりにくい」など、ちょっとした変化を感じたら、ぜひご相談ください。
お口の健康は、全身の健康と人生の質(QOL)を支える第一歩です。